頭痛について

 まず、頭痛というとどういう病気を思い浮かべるでしょうか?

頭が悪い(頭の病気)や偏頭痛などを思い浮かべる方が多いと思います。

実際、頭痛外来に行かれる方の90%以上は筋緊張性頭痛か偏頭痛という状況です。

頭の病気やまして、高血圧、風邪が原因で頭痛が起こっているということはまれです。

頭の病気での頭痛に関して、まず一番考えないといけないのは、くも膜下出血での頭痛です。

これは一刻を争います。

「朝からだんだんと頭痛が痛くなる」とか「最近ずっと頭が痛い」というのは頭の病気の可能性は低いです。

くも膜下出血であった場合はいきなり頭痛のピークがきます。

徐々に痛いとか、ずっと痛いということではなく、「いきなり」なのです。

ハンマーで殴られたように痛いと言って訴える患者さんもいます。

それくらい「いきなり痛い」のです。

血圧が高いから頭痛があります。と言って、来院されたり誰かに言われたりすることがあります。しかし、血圧が高いとどうして頭が痛くなるのかという事を理論的に考えていくと、ありえないという事が分かります。実際に、高血圧の人が全員頭痛になっているということはありません。さらに、頭痛で病院に行き、血圧も正常で他にも問題がないという事になると、今度は「風邪」と診断されます。この風邪というものも、日本とアメリカでは違いがあり、アメリカで言っている風邪の定義は、「急性ウィルス性限局性上気道感染症」というものです。風邪であるならば、「のどが痛い」「咳が出る」「くしゃみが出る」などの上気道感染の症状が出ていなければなりません、したがって、のどの痛みや咳、くしゃみ、等の症状がなく、頭が痛いというだけで風邪という診断にはならないという事です。

 頭痛には、死に関わる頭痛と死に関わらない頭痛があります。死に関わる頭痛は、先ほど説明した、くも膜下出血と他には脳腫瘍があります。死に関わらない良性頭痛の代表的なものは、偏頭痛、筋収縮性頭痛、三叉神経痛、薬害性頭痛などがあります。

 三叉神経痛の頭痛は、30秒程度の痛みが繰り返される頭痛です。三叉神経痛に限らず、顔面神経痛や坐骨神経痛などの神経痛の特徴は、一度痛くなると大体30秒で痛みが収まり、その後代謝が回復してくるとまたバーン、バーンと痛くなるということが繰り返されるという事です。その理由は、神経伝達物質が深く関わっています。末梢神経は、末端で活動電流が流れて末端で神経伝達物質を出します。この時、何万本の神経がバラバラに活動電流を発火させています。そうすることで、繋がっているように感じることができるようになっています。しかし、神経痛の場合、機械的刺激で一度にバーンと発火させてしまいます。そうしてしまうと、全ての神経伝達物質が流れてしまうので、当分の間は発火することが出来なくなってしまいます。そのため、三叉神経痛はバーン、バーンというような痛み方をしています。また、この三叉神経痛の場合、視野が狭くなる、耳鳴りがひどいなどの症状もある際には、脳腫瘍を伴っているケースもあります。変だなと思った場合にはすぐに医師に相談しましょう。

 偏頭痛は、血管性頭痛とも言います。偏頭痛の典型的な例は、疲れた時、寝不足、気苦労したときに起こりやすく、頭がズキンズキンと痛むことです。また、曇りの日にもよく頭が痛くなります。朝起きた時はなんともなくお昼前後になると痛くなり始め、頭痛薬などを飲むことで症状が改善します。偏頭痛ではなぜ頭痛が起こるのかというと、外頸動脈の分枝が腫れあがることで痛くなります。そのため、偏頭痛の事を血管性頭痛とも言います。人の頭の皮にはたくさんの血管が通っています。そこに交感神経があり、普段は締め付けられています。この交感神経が麻痺するだけでズッキンズッキンと頭が痛くなります。そのため、偏頭痛の症状がある患者さんに後頭動脈などを指で強く抑え脈を止めると、頭が痛いと言っていた患者さんの頭痛が収まります。これは、後頭動脈で収まる人もいれば、浅側頭動脈、上眼窩動脈を圧迫することで頭痛が収まる人もいます。また、偏頭痛の場合、頭痛発作の前に閃輝暗点や脳症状が先行することがあります。これは、脳動脈の痙攣による脳の局所的虚血のために起こります。このような偏頭痛を、古典的偏頭痛を呼んでいます。

 筋収縮性頭痛は緊張性頭痛とも呼ばれます。筋収縮性頭痛の典型的な例は、疲れやストレスにより首~肩~頭が重くなります。その後、前頭部が締め付けられたようにジワーっと重くなります。1時間程我慢していたら頭痛が収まってくるのも特徴です。

 良性の慢性的な頭痛の要因としては、寝不足や疲れという身体的要因の他に、気苦労、ストレスという心的要因や、曇った日や人混みなどの環境的要因があります。さらに緊張開放型の頭痛には、土曜日になると頭が痛くなったり、女性あれば、月経が終わると頭痛がするという人もいます。このような頭痛を「ホッとす型の頭痛」と定義しています。病院での診断名としては、心身症や自律神経失調症、更年期障害などとされますが、全てこのホッとす型の頭痛です。

 全ての人がこのような要因でなるわけではなく、なりやすいタイプの人がいます。それは、神経質な完璧主義者、内向的な孤立型、趣味がない一途型のタイプの人です。完璧主義のタイプの人は、常に気を張っているためストレスの発散が出来ません。さらに、内向的孤立型の人、趣味がない人もストレスの発散が出来ません。こういう方が典型的な偏頭痛や、緊張性頭痛になりやすいです。

三叉神経痛や偏頭痛、緊張性頭痛だけでなく、「くも膜下出血」や「脳腫瘍」など命に関わるような病気の場合もあります。いつもの頭痛と痛み方などが違うと感じた際には、すぐに医師にその旨を伝え相談しましょう。

参考文献 「頭痛・めまい・しびれの臨床 病態生理学的アプローチ」

また、よこすか整骨院では、慢性頭痛(緊張性頭痛や偏頭痛)の原因の多くは顎関節が関係していると思っているため、顎関節治療を勧めていますので、頭痛でお困りの際はご相談下さい。


横須賀市の整体『よこすか整骨院』
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